胃が行う主な働きは、食べ物の栄養素が小腸で吸収されやすいように、食べ物を小さな形に
消化することです。
胃壁の表面には
胃腺と呼ばれる無数の小さな穴があいていて、その胃腺から分泌される
胃液によって消化が行われています。
胃液は無色透明の少し粘りけのある酸性の液体で、1日約1.5リットルも分泌されています。
胃液成分のほとんどは水ですが、その他にも
塩酸や
ペプシン、
粘液が混じり合っています。
胃液成分の役割
塩酸…塩酸はその強力な酸度で食べ物を溶かします。
その他、主細胞から分泌されるペプシノーゲンを消化酵素のペプシンに変えたり、胃の中を殺菌したり、鉄やカルシウム、ビタミンB12の吸収も助けています。
ペプシン…ペプシン蛋白質を分解する酵素で、肉や魚など食べ物の蛋白質を小さな形にします。
粘液…粘液は胃壁を覆って塩酸や消化酵素で胃粘膜が傷つけられるのを防いでいます。
粘液はムカデのような足をもつ細長い糖蛋白が立体的に敷き詰められてできています。
胃液成分を分泌する細胞たち
これら胃液の成分は胃腺から分泌される訳ですが、実は胃腺の内膣にいる細胞たちがそれぞれ役割を分担して成分を吹き出しているのです。
ガストリン細胞
ガストリン細胞は、胃に食べ物が入ってきて、胃のひだ伸びる刺激でガストリンというホルモンを分泌します。
ガストリンは毛細血管を通って主細胞や壁細胞の底を刺激して、それぞれの胃液成分を分泌するように促します。
主細胞
主細胞はペプシノーゲンを分泌する細胞です。
分泌されたペプシノーゲンは塩酸と交わると形を変えて蛋白質を分解するペプシンという消化酵素に変化します。
壁細胞
壁細胞はpH2という非常に酸度強い塩酸を分泌します。
また、ビタミンB12を吸収するために必要不可欠なキャッスル内因子という物質も分泌しています。
粘液細胞
粘液細胞(副細胞)は塩酸や消化酵素から胃壁を守る粘液を分泌します。
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