忍者ブログ

胃・小腸・大腸の働きと病気

胃・小腸・大腸はどのような働きをしているのか?胃・小腸・大腸にはどのような病気があるのか?について詳しく説明します

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

胃酸過多症が胸焼け、げっぷ、呑酸をもたらす

胃酸過多症 胸焼けやげっぷ、すっぱいものが口にこみ上げる呑酸といった症状がある方は胃酸過多症の可能性大です。
胃酸過多症は、胃酸が過剰に分泌される症状です。

胃酸は本来、食べ物を食べたときに脳からの指令を受けて分泌されて消化活動を行い、逆に空腹時には分泌量が低下するのが正常な状態です。
しかし、胃酸過多症では食後の3~4時間後の空腹時でも胃酸の分泌が治まらず、胃酸濃度が非常に高い異常な状態が続きます。
その過剰に分泌された胃酸が胃から食道に逆流すると、胸焼けやげっぷ、呑酸といった症状をもたらすのです。
また、食道に胃酸の逆流が繰り返し続くと、食道が炎症を起こす、いわゆる逆流性食道炎を引き起こしたり、さらに長い年月食道が胃酸に攻撃され続けると、食道の細胞ががん化して食道がんにまで発展するケースもあります。

胃酸過多症の起こる原因

胃酸過多症が起こる原因には以下のようのことが考えられます。
・胃酸の分泌・抑制を司る自律神経の乱れ
胃の働きは主に自律神経によって支配されています。
食べ物が口に入ったり、おいしそうな物を見たり、臭いをかいだりした刺激が脳に伝わり、自律神経のうちの副交感神経から胃に伝達されて、胃酸の分泌が促進されます。
逆に自律神経のうちの交感神経が作動することで胃酸の分泌が抑制されます。
この胃液分泌の促進と抑制を行う自律神経のバランスが乱れることで、胃酸過多症を引き起こされると考えられます。

・ホルモンの異常
胃に食べ物が入ってきて胃壁が伸びることによる刺激や蛋白質、ペプトン、アミノ酸などの科学的刺激でガストリンというホルモンが分泌されます。
ガストリンが壁細胞のガストリン受容体に結合すると、壁細胞から胃酸が分泌されます。
そして、胃内がpH2以下の強酸性になると、自動的にガストリンの分泌が減少し、胃酸の分泌も減少します。
また、胃から十二指腸に消化物が移動する物理的刺激や十二指腸に酸性物質や脂質、糖質がたどり着くことによる化学的刺激でセクレチン胃抑制ペプチド(GIP)などのホルモンが分泌され、ガストリンや胃液の分泌を抑制します。
これら胃酸の分泌を促進、抑制するホルモンの異常が胃酸過多症を引き起こします。

・胃酸を分泌する細胞が多い
胃酸は壁細胞という細胞が分泌していますが、この壁細胞の数が多いと、分泌される胃酸の量も増加します。

・胃酸の分泌を促進させる刺激物の過剰摂取
アルコールやコーヒー、コショウ、カラシなどの刺激物は胃液の分泌を促進させます。

胃酸過多症の治療

胃酸過多症は胃酸が過剰に分泌される症状ですので、過剰な酸を中和したり、胃酸そのものの分泌量を抑える薬物治療が行われます。
過剰な酸を中和するためには、制酸剤が使用します。
強い酸性の状態の胃酸をアルカリ性の薬品で中性の状態にして、胃酸による攻撃を防ぎます。
症状を抑える即効性はあり、胸焼けもスーッとひきますが、胃酸が過剰に分泌される胃酸過多症の根本的原因を改善する訳ではありませんので、薬の効果が切れるとまた再発します。

胃酸そのものの分泌量を抑えるためには、H2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)プロトンポンプ阻害薬(PPI)という医薬品が使用されます。
塩酸を分泌する壁細胞に働きかけて、胃酸分泌される前の段階で止めてしまいますので、継続して服用することで症状は改善します。
ただし、服用を止めると数週間後に再発するケースが多く見られます。
やはり、これらの医薬品も一時的な改善だけで、胃酸過多の根本的な原因が解消される訳ではないのです。

胃酸過多症が起こる原因は前述のようなことが考えられますが、なぜそのようなことが起こるのかというメカニズムについては解明されてない点が多く、胃酸過多症の根本を治す治療法は確立されていません。
ただし、食生活など生活習慣が深く関わっていることには間違いありませんので、医薬品で症状を抑えつつ、胃酸過多症を起こしうる生活習慣の改善の取り組みましょう。
PR

プロフィール

会社名:
増田製薬株式会社
住所:奈良県橿原市川西町429

バーコード

ブログ内検索

Copyright ©  -- 胃・小腸・大腸の働きと病気 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]