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胃・小腸・大腸の働きと病気

胃・小腸・大腸はどのような働きをしているのか?胃・小腸・大腸にはどのような病気があるのか?について詳しく説明します

   
カテゴリー「胃潰瘍」の記事一覧

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胃潰瘍の治療は薬物療法が中心

薬物療法
胃潰瘍の治療は、嘔吐などひどい症状がある場合や胃潰瘍が胃壁を貫通している穿孔性潰瘍など重症の場合は手術を行うこともありますが、通常は胃潰瘍の症状を緩和する薬の服用による治療が中心となります。

胃潰瘍の薬ってどんな薬?

服用する薬は主に2種類のタイプがあります。
1つ目は胃潰瘍を起こしている部分を攻撃する胃酸の分泌を抑える薬です。
胃酸は食べたものを消化したり、口から侵入してきた細菌などを殺菌したりと重要な役割をしています。
ところが、何らかの原因で胃粘膜の防御が低下している場合には胃酸が胃壁を消化してしまい潰瘍を起こすのです。
ですから、胃潰瘍の主な原因である胃酸の分泌を抑える薬を継続して服用して、胃潰瘍を起こしている部分が徐々に治癒していくのを待つ訳です。

胃酸の分泌を抑える薬としては、主にH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬)という薬が使用されています。
ガスター10やタガメット、ザンタックなどがこれに該当します。
H2ブロッカーは比較的副作用の少ない医薬品ですが、長期連用すると胃酸の分泌が抑えられることによる副作用が考えられるので、胃潰瘍の治療は個人的にせずに医師の指示の元に行うようにしましょう。
また、H2ブロッカーでは胃潰瘍改善効果が現れない場合は、より胃酸分泌抑制作用の強いプロトンポンプ阻害薬(PPI)が使用されています。

2つ目は胃潰瘍を起こしている部分を保護するための薬です。
胃酸による攻撃から胃壁を防御するために胃粘膜保護薬を服用します。
働きが穏やかで即効性はありませんが、副作用が少なく、H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬を服用できない方や高齢者などに使用されます。

薬で胃潰瘍の原因が治る訳ではない

このように、胃壁に対する攻撃を弱める薬と胃壁の防御を強める薬を使い分けて胃潰瘍を治療します。
ただし、胃潰瘍の薬物療法はあくまでも胃潰瘍の症状を一時的によくするものであって、胃潰瘍がおこる原因そのものを取り除く訳ではありません。
薬物療法で胃潰瘍がいったん治っても再発するケースがよくあります。
ですから、胃潰瘍の薬物療法は胃潰瘍の原因を治すのではないこと、そして胃潰瘍を再発させないためには胃潰瘍の原因となっている生活環境などを改善しなければならないことを理解しておきましょう。
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胃潰瘍の原因はピロリ菌?

胃潰瘍の原因は、ストレスが大いに関わっていることは紛れのない事実ですが、ストレス以外にも胃潰瘍を悪化させる原因があることがわかってきました。
その正体はヘリコバクター・ピロリ菌です。
ピロリ菌

ピロリ菌はなぜ胃の中で生きられるの?

かつては胃の強い酸性の環境下で生物は生きられないと考えられていましたが、1980年代に人間の胃の中に棲む細菌が発見されました。
この細菌こそがヘリコバクター・ピロリ菌です。
ピロリ菌が強い酸性である胃の中で生きていける理由は、ピロリ菌がウレアーゼという酵素を生産しているからです。
ウレアーゼは尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解する酵素で、ピロリ菌が生産するウレアーゼが胃粘膜中の尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解します。
アンモニアはアルカリ性ですので、ピロリ菌の周囲に発生したアンモニアが胃酸の酸性を中和します。
つまり、ピロリ菌は自分の周囲にアンモニアのバリアを作って、胃酸の攻撃から身を守っているのです。

ピロリ菌はどうやって胃を攻撃するの?

ピロリ菌は粘膜層を分解する様々な酵素を分泌しています。
酵素によって破壊された粘膜層下にある上皮細胞が、胃酸や蛋白分解酵素ペプシンなどによって障害されて、炎症を起こします。
また、ピロリ菌が出す毒素が上皮細胞を直接攻撃したり、細菌感染をやっつけるために集まった好中球などの白血球による攻撃が細胞組織を傷つけて炎症がさらに悪化してしまいます。

ただし、ピロリ菌感染者が全てが胃潰瘍などの炎症性疾患を発症するわけではありません。
疾患が現れるのはピロリ菌保菌者の約3割で、約7割はピロリ菌に感染していても症状が現れないといわれています。
また、現在では効果的な除菌療法も確立されていますので、胃に慢性的な違和感がある方は一度検査を受けられてはいかがでしょうか?

ストレスでなぜ胃潰瘍が起こるのか?

ストレスが胃潰瘍の原因となることは皆さんご存じのことでしょう。
では、なぜストレスによって胃潰瘍になるのでしょう?

そもそも適度のストレスは心身に緊張感をもたらし、生活に張りを与えるためなくてはならないものです。
しかし、過度のストレスが続くと、体のあるところがおかしくなってしまいます。
それは自律神経です。

自律神経とは、心臓の鼓動や血液の流れ、体温の調節など我々の意思とは無関係に体の機能を自動的に調節してくれる神経です。
自律神経には、緊張時の働く交感神経と、リラックスしているときに働く副交感神経があって互いに相反する働きをしてバランスをとることで体の機能を調節しているのです。
胃や腸など消化器系の働きは、自律神経のうちの副交感神経によって高まります。
食べ物を消化するために、胃の蠕動運動が活発になり、胃液の分泌量が多くなるのです。
一方、交感神経が優位の状態では、胃の働きは低下します。
胃の血管が収縮し、胃粘膜の血流が悪くなるため、粘液の分泌量も減ってしまうのです。
ストレスが続くと、交感神経優位の状態が多くなるため、胃粘膜の防御が弱くなってしまうのです。

また、ストレスを感じると脳からの指令で、副腎から副腎皮質ホルモンが分泌されます。
副腎皮質ホルモンは胃粘液の分泌量を低下させてしまうため、胃粘膜の防御がさらに弱まります。
胃潰瘍とストレスの関係
このような胃粘膜層が薄くなっている状態の時に、胃粘膜を攻撃する塩酸やペプシンなどの分泌が高まると、胃粘膜のバリアが破られて、胃壁が胃潰瘍を起こすのです。

胃潰瘍は胃が消化される病気

胃潰瘍は多くのストレスにさらされる現代社会を象徴するような病気です。
かつては男性に多く見られた病気ですが、現代では女性や若者にも胃潰瘍の発症が増加しており、職場のみならず、私たちを取り巻く高度情報化社会が家庭や学校、日常生活においても多くのストレスをもたらしているといえるでしょう。

胃潰瘍は攻撃と防御のバランスの乱れ


胃は食べた物を消化するために胃液を分泌しています。
胃液には、強い酸度の塩酸や蛋白質を分解するペプシンが含まれているのです。
これらが胃壁に対する攻撃因子です。
では胃はなぜ塩酸やペプシンによって消化されないのでしょうか?
実は、胃は塩酸から胃を守るためにアルカリ性の粘液を分泌して中和したり、粘膜表面の脂質が塩酸をはじくことで、胃壁を守っているのです。
これらが胃壁の防御因子です。
胃潰瘍
通常、これらの攻撃因子と防御因子は、自律神経やホルモンなどによって調整されているのですが、このバランスが崩れて攻撃因子の力が防御因子より強くなると、塩酸やペプシンが胃壁を消化して傷ができてしまいます。
この傷が胃潰瘍であり、消化されてできることから消化性潰瘍と呼ばれています。

胃潰瘍の進行度

胃潰瘍の進行度は胃壁をえぐる潰瘍の深さです。
胃潰瘍進行度
①胃粘膜の一部の細胞がただれ、壊死している浅い潰瘍で、通常びらんと呼ばれます。
②粘膜のみの潰瘍です。
③粘膜下層まで及んでいる初期段階の潰瘍ですが、粘膜筋板を破った潰瘍は治癒しても瘢痕が残ります。
④筋層に達する潰瘍で、胃潰瘍で最も多い状態です。
⑤潰瘍が筋層を貫いて漿膜下層まで達しており、胃壁に孔(あな)があく一歩手前の危険な状態です。
⑥漿膜を破って胃壁に孔(あな)が開いた状態で穿孔(せんこう)といいます。
胃の内容物が腹部の空間に漏れだし、急性腹膜炎を起こす危険があります。

プロフィール

会社名:
増田製薬株式会社
住所:奈良県橿原市川西町429

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