ストレスが胃潰瘍の原因となることは皆さんご存じのことでしょう。
では、なぜストレスによって胃潰瘍になるのでしょう?
そもそも適度のストレスは心身に緊張感をもたらし、生活に張りを与えるためなくてはならないものです。
しかし、過度のストレスが続くと、体のあるところがおかしくなってしまいます。
それは
自律神経です。
自律神経とは、心臓の鼓動や血液の流れ、体温の調節など我々の意思とは無関係に体の機能を自動的に調節してくれる神経です。
自律神経には、緊張時の働く交感神経と、リラックスしているときに働く副交感神経があって互いに相反する働きをしてバランスをとることで体の機能を調節しているのです。
胃や腸など消化器系の働きは、自律神経のうちの副交感神経によって高まります。
食べ物を消化するために、胃の蠕動運動が活発になり、胃液の分泌量が多くなるのです。
一方、交感神経が優位の状態では、胃の働きは低下します。
胃の血管が収縮し、胃粘膜の血流が悪くなるため、粘液の分泌量も減ってしまうのです。
ストレスが続くと、交感神経優位の状態が多くなるため、胃粘膜の防御が弱くなってしまうのです。
また、ストレスを感じると脳からの指令で、副腎から副腎皮質ホルモンが分泌されます。
副腎皮質ホルモンは胃粘液の分泌量を低下させてしまうため、胃粘膜の防御がさらに弱まります。
このような胃粘膜層が薄くなっている状態の時に、胃粘膜を攻撃する塩酸やペプシンなどの分泌が高まると、胃粘膜のバリアが破られて、胃壁が胃潰瘍を起こすのです。
PR