ピロリ菌の除去治療はこれまで胃潰瘍、十二指腸潰瘍の消化性潰瘍など特定の疾患にかかっていない限り、健康保険の適用とはならず、全て自己負担で治療しなければいけないことになっていました。
しかし、近年の研究の結果、ピロリ菌と胃がんの因果関係が解明されてきて、ピロリ菌が胃がんの大きな原因の1つとなっていることが明らかになってきたため、平成25年2月21日よりピロリ菌感染胃炎が健康保険適用対象となったため、ピロリ菌感染をしていれば健康保険治療を受けられるようになりました。
これにより3割負担であれば、約3000円でピロリ菌除去治療が受けれるようになるのです。
ピロリ菌除去治療が保険適用になった背景にはピロリ菌の除去による胃がんの発生リスクの低減にあります。
ピロリ菌除去治療が保険適用になると、当然健康保険の負担が増えてしまいますが、ピロリ菌を除去することで胃がんの発生率が4分の1になるという試算もあります。
高額な胃がん治療が減少すれば、将来的に健康保険の負担を減らせることができるという訳です。
ピロリ菌の除菌治療法
ピロリ菌を胃から除菌するというと何かすごい治療をしなければいけないように思われるかもしれませんが、ピロリ菌の除菌治療方法は、いたって簡単です。
3種類の医薬品を1週間服用するだけです。
現在日本で保険適用となっているピロリ菌除菌治療は、プロトンポンプ阻害薬と、アモキシシリンとクラリスロマイシンという抗生物質の3剤を一緒に
7日間服用する3剤併用療法が行われています。
プロトンポンプ阻害薬とは、胃酸分泌を抑える医薬品で、抗生物質はph中性の環境で最もピロリ菌除菌の効果を現すため、胃内環境を中性に近ずけるために併用されています。
この方法で除菌すると、約70~80%というかなり高い確率で除菌することに成功しています。
ただし、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の症状がないとピロリ菌除去治療は保健適用にはならず、実費での治療となってしまいます。
PR